専務のコラム なぜ、有機農業が広がらないか? その1
平素より当会活動にご理解とご協力を賜り誠にありがとうございます。
日本有機加工食品コンソシーアムの専務の佐伯です。
昨年の4月28日に発足して1年半近く経ちます。参加団体、企業、生産者などを含め、今年8月末現在、会員はおかげさまで144社になります。多くの企業の賛同が得られましたが、コンソシーアムがどのような活動・業務を行っているか会員の皆さんに報告できていません。そこで、定期的にコラムを書いて活動や参加企業の取組みを報告したり、私が日頃から考えていることなど発信する予定です。
さて、日本では国が「みどりの食料システム戦略」を打ち出し、2050年までに全圃場の25%を有機に転換する構想を打ち出しています。現状、スーパーなどの棚には国産有機食品の商品は皆無に近い。その理由のひとつは、国産有機小麦、大豆、トウモロコシなどが国内で生産されていないことと国産有機穀物を使って製造されている物が海外に輸出されているためだと思われます。
慣行および有機栽培の小麦や大豆の大半はアメリカなどからの輸入に頼っています。しかし、みどりの食料システム戦略により、新たに有機小麦、大豆を生産しようという気運が高まり、北海道では北海道庁を始め本格的な取組みが始まろうとしています。北海道、九州、東北辺りでは有機穀物の栽培が始まり、推測では有機小麦1300㌧、有機大豆1300㌧が流通していると考えられます。その内、コンソシーアムの会員の穀物問屋と有機農家で約8割の1000㌧が取引されています。
大手食品メーカーが国産有機加工食品を生産するには原料が少なすぎることから、まだ有機市場への参入ができない状態です。さらに、日本では有機加工食品市場がまだ育っていないことも問題になっています。有機穀物の栽培を増やしながら、同時並行で有機加工食品の市場を作る必要がある。これは結構難しいところです。そこで、日本有機加工食品コンソシーアムが必要になってくるわけです。生産者、加工メーカー、卸、小売りなどの皆さんが集まって「有機農業を広げる」という目標を持ち、お互いに協力する仕組みを一緒に作り上げていきましょう。
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